今日も5つのプロジェクトの進行状況を報告します。今回は3つのプロジェクトのみ。
①刺し子
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前回はもう少し縫ったところで手がとまりました。でも今回はどんどん進みますよ。 |
③クロスステッチ 和の柄 4段目の4つの部屋が完成しました。4段目は全て「千鳥」(chidori)のデザインに統一してみました。「千鳥」とは特定の鳥を指すのではなく、海や河原などの水辺の住む「チドリ科」の総称です。皆さんがどの千鳥を気に入ってくれるか楽しみです。ではいつものように左から説明します。
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千鳥は日本に現存する最古の歌集「万葉集」にも登場しています。 |
⑬群千鳥(mure-chidori) 漢字の「群」の通り、千鳥が群れで飛んでいる様子を表現したデザイン。 *鳥の群れ=a herd of birds
⑭雲鶴(unkaku) 流れる雲の間を飛翔する鶴が表現されています。平安時代(今から1,200年前位)の宮中装束に使われた格調高いデザイン。
⑮鷗石畳(kamome-ishidatami) 鷗(kamome)と石畳を組み合わせたデザイン。
⑯千鳥立涌(chidori-tatewaku) 有職文様の1つで波が2本の向き合ったラインで表現されています。今回は膨らんだ部分に千鳥をステッチしましたが、雲や花が描かれているデザインもあります。
*有職文様(yusoku-monyo)とは、平安時代以降の公家社会において装束から建築に至るまで幅広く用いられた伝統的なデザイン。
*公家(kuge)とは天皇に仕えた貴族の総称。
和の柄のステッチは完成すると32の部屋に全て違うデザインがステッチされます。今回の報告で半分の16部屋が完成しました。デザインを出来るだけ簡潔に説明しようと頑張っていますが如何でしょうか?皆さんに伝わっていますか?
カウントミスをしたり、何度も始めからやり直したデザインもありますが各々に意味があることを改めて認識し、今ではやり甲斐さえ感じています。
残りの16の部屋にも素敵な和の柄のデザインをステッチして紹介させていただきますので、お楽しみに!
ステッチから脱線しますが「万葉集」について少しだけ説明させて下さい。
飛鳥時代から奈良時代にかけて約130年の間につくられた歌が収められています。先程も書いたように日本に現存する最古の歌集です。歌集と言っても現在歌われているような歌の歌詞集ではありません。日本には俳句や短歌といった言葉の数が決まっていたり、季節を表す言葉を絶対に入れるというルールに従って作る歌があります。少ない言葉という制限のある中でいかに自分の感じたことを比喩なども使って表現するか?というルールのある俳句や短歌は現在でも人気があり親しんでいる人が大勢います。
面白いことに「万葉集」は様々な表現方法があり細かいルールがありません。俳句や短歌の形式の歌が多いと感じますが形式にこだわっていない歌もあります。歌を作る人の感性や表現を重視し厳選したのではないかと考えられます。
更に性別や身分を問わず幅広く集められ、同列で並べられているという事は当時としてはかなり画期的であったと考えられます。
個人的なことですが、私が万葉集を知ったのは小学6年生(12歳)でした。学習塾に通っていたので、学校の授業よりも深く掘り下げて勉強したような記憶があります。当時の私は天皇の歌も農民の歌も区別なく一緒に並べられているということに大変驚きました。身分制度の厳しかった時代にこの偉業を達成した人に深い尊敬の気持ちを抱きました。お墓があれば手を合わせにも行きたかった。しかしながら残念なことに誰が集めたか?がハッキリしていないのです。「あの人なんじゃないか?」という説はありますが。
万葉集が作られた背景には凄く興味があったのですが、歌そのものには興味がなかった12歳の私が覚えた歌は1つだけ。山部赤人(YAMABE-NO-AKAHITO)が作った歌です。40年以上経った現在も変化無し。ここ数年で俳句や短歌にも少しだけ興味を持ち始めたので、いつかオリジナル作品に挑戦してみたいものです。
④SAL 間違えないように気を付けながら継続中。
②ワッペン作りと⑤六角形についても進行しているので近いうちに報告出来ればと考えています。
日本は酷暑の夏が終わり秋になりました。朝晩は冷えて秋らしい温度になりますが昼間は暖かい日が多いです。紅葉前線が北から南へと進んでいるので1ヶ月後には日本列島が紅葉で美しく染まるでしょう。過ごしやすい秋が大好きですが既に北から冬の便りも届き出しているので今年も昨年のように一気に寒くなり冬になりそうです。地球温暖化(地球沸騰化)を食い止めるために、または少しでも遅らせる為に国や個人レベルの努力や知恵が益々必要ですね。
日本のテレビニュースでは連日ウクライナやイスラエルの報道がされています。胸の辺りが痛くなるくらい悲しく辛い気持ちになります。1日でも1時間でも早く戦いが終わることを強く願います。そして私がステッチなどの手芸活動が出来ることを改めて有り難く感じています。