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2024/03/02

同時進行 ⑧ 進行報告

 みなさん、こんにちは。今日は5つのプロジェクトから残っているプロジェクト「クロスステッチ 和の柄」の進行報告をします。こちらをご覧ください。⤵️

7段目の4つの部屋が完成しました。この段は全て「葛飾北斎」(Katsushika Hokusai)が小紋用にデザインしたものです。

まずは葛飾北斎を簡単に紹介します。彼は江戸時代後期~活躍した浮世絵師です。代表作に「富岳三十六景」(Fugakusanjurokukei)、「北斎漫画」(Hokusai-manga)等があります。
彼は70年に渡り人間のあらゆる仕草や相撲取りや役者など歴史上の人物を描いたり、滝や橋などの風景、又は虫、鳥、草花、建物、仏教道具も描いています。更に龍などの架空動物や波、風、雨などの自然現象に至るまで森羅万象を描きました。生涯に3万4千を越える作品を発表しています。画業分野は版画ですが、肉筆浮世絵や読本、絵手本や春画など多岐に渡ります。好奇心旺盛な北斎は銅版画やガラス絵、油絵などの画法の研究も試みたようです。北斎の画業は欧州へと波及し「ジャポニズム」と呼ばれるブームを巻き起こし、19世紀後半のヨーロッパ美術に大きな影響を及ぼしたと伝えられています。
今回、私がステッチした4つの部屋は北斎が生涯に一冊だけ1825年に出版した「新形小紋帳」という図案集から選びました。
又、北斎には転居癖があったと伝えられていて90歳で没するまでに93回の転居をしたそうです。北斎の家はいつも乱雑だったようなので、転居の度に一緒に住んでいた娘と弟子達は大変だったんじゃないかと想像します。
*小紋とは。模様を一方向に繰り返し型染めした着物。派手な振り袖や冠婚葬祭に着るフォーマルな着物ではなく、カジュアルなお出かけ着。柄付きの小紋はコンサートや美術鑑賞、お友達との食事などに合っています。
私の横浜に住む友人は普段から着物生活をしています。自分で着物が着れる事は日本人女性が憧れることの1つだと思うので、私の友人は素晴らしい女性だと思っています。

さてさて。4つの部屋の紹介を左から紹介しますね。

㉕文の字つなぎ(bunnoji-tsunagi)  漢字の「文」という字を上下に組み合わせたデザイン。なんだか人に見えて可愛いです。

㉖瓦小口(kawara Koguchi) 日本の家屋の屋根には(kawara)と呼ばれる屋根専用の材料があります。斜めの屋根に瓦が敷き詰められています。6世紀(今から約2500年~2600年前)に中国から朝鮮半島を経て伝わったと言われいます。元々は陶器で作られていたようですが、日本独自の改良が加えられ現在の材料は粘土の他にセメントなどがあります。製造方法やデザインは地域により様々で1000以上に分類されるらしいです。
小口(Koguchi)は瓦の切り口のことを指すので、今回ステッチしたデザインは瓦を切断した時に見られた部分を北斎がデザイン化したものだと推測します。何故わざわざ切断した部分をデザイン化したのか私には分かりませんが、北斎にとっては面白いデザインに見えたようです。

㉗行きつ戻りつ(Yukitsu Modoritsu) とても簡単に言ってしまうと「行ったり来たり」を現したデザイン。確かに行っては戻っての繰り返しです。北斎がデザインするとこうなのるかーと面白く思いました。

㉘角の七宝(Kaku-NoShippou) 七宝とは仏教において貴重とされる七種の宝のこと。
金・銀・水晶・珊瑚・瑠璃・瑪瑙・蝦蛄。
元々は七宝(Shippou)ではなく四方(Shihou)であったという説もあります。四方どちらへも永遠に続き縁起が良いとされていたようです。読み方が似ていることから七宝になったようです。実際にステッチしていて何処が七宝を現しているか分かりませんでした。だから私にとっては「角の四方」(Kaku-No-Shihou)というタイトルの方がピッタリだと思うのですが、日本を始めアジア諸国は縁起物が大好きで大事にするので正式なデザインタイトルは「角の七宝」ということで納得しました。

葛飾北斎の小紋帳から4つのデザインを選ぶのはかなり悩ましい選択でした。何故かというと他にも魅力的なデザインが沢山あるからです。皆さんに紹介する為に葛飾北斎という人物についても調べました。調べたことを全て書いたら大変な字の量になり「これは論文ですか?」と聞かれそうなので、物凄く簡潔にまとめて葛飾北斎を紹介しました。彼は現代で言えば「マルチデザイナー」という肩書きが似合う日本を代表する浮世絵師だと思います。
葛飾北斎の残した「新形小紋帳」は私にとって大変魅力的な小紋帳なので、今後も機会があれば彼のデザインを紹介したいです。
さて。「クロスステッチ 和の柄」も残すところ1段となりました。最後の4つのデザインをどれにするかに関しても悩みましたが既に決定して縫い始めています。出来上がり次第紹介させて頂きます。

1月1日に起きた「能登半島地震」から2ヶ月が経ちました。地震直後を考えれば被災地の不便さは解消されつつありますが、未だ断水が続いている地域もありインフラの回復も時間がかかりそうです。建物が全壊、又は半壊や焼失してしまった方々が沢山います。抱えている問題は1人1人、又は家庭每に違います。
地震大国日本に住んでいる私にとって決して他人事ではありません。微力ながら被災地に役立つことを続けていきたいです。皆さんにもお願いします。どうか復興へ向けて能登半島へ応援のパワーを送ってください。

みなさん良い1日をお過ごしください。ハッピーステッチ😊

3 件のコメント:

Pamela さんのコメント...

I love this project! I appreciate all of the information and your commentary.

I read that the Emperor and Empress are planning a trip to Noto. I’m sorry that the lives of the Noto residents are still not back to normal.

diamondc さんのコメント...

Toki: Lovely progress on your Japanese Pattern stitching,
Thank-you for the information on Katsushika Hokusai, I love hearing about traditions and history. I bet he was a very interesting person.
It is sometimes hard to choose a design, I did look his information up so very interesting, I would loved to have met him.
I am sad when tragedies happen like earthquakes and fires and other horrible things, I will keep Japan in my heart and hope no more earthquakes or disasters happen.

Catherine💙

Leonore Winterer さんのコメント...

Another interesting lesson in Japanese designs and history! The translation wasn't perfect in some paragraphs but I think I got the gist of it. Thank you for sharing your research with us!

同時進行 ⑨ 進行報告

 みなさん、こんにちは。今日は「クロスステッチ 和の柄」の進行報告をします。昨年7月から1段仕上がる毎に4つの部屋の和の柄の紹介をしてきました。そしてやっと最後の8段目の4つの部屋が完成し紹介出来る準備が整いました。では早速8段目をご覧下さい。⤵️ 左の部屋から紹介していきます。...